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「蜜は夜よりかぎりなく」著者:崎谷はるひ イラスト:高永ひなこ

崎谷さんの新刊です。
本当は、早々に感想を書こうと思っていたのですが、どうもいろいろと長くなりそうなので(あくまでも当ブログ比。うちって感想短いよね…。)ついつい後回しにしておりました。
まあ、そんなことより「白鷺シリーズ」6冊目にして、初の短編集にして、完結編です。

蜜は夜よりかぎりなく (角川ルビー文庫 83-23)
蜜は夜よりかぎりなく (角川ルビー文庫 83-23)
崎谷 はるひ
JUGEMテーマ:読書


【あらすじ】
――この腕のなか以外、どこにも行きたくない。
大人気シリーズ待望の短編集が登場!
志澤×藍編、弥刀×朋樹編、そして藍の父・衛の過去編を収録!!

恋人同士になれたというのに、大学生活に馴染むことで必死な藍と、益々忙しくなった志澤。一緒に暮らしているのに、すれ違う日々は相変わらず。なかなか触れてくれない志澤に不安を募らせる藍だったが・・・。ほろ苦くて甘い表題作・志澤×藍編の他、弥刀×朋樹編、藍の父・衛の過去編を収録。崎谷はるひが贈る大人気シリーズ待望の短編集が登場!

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今回の短編っていうか中編集は、本編の2組のカップル(1組はカップルって云っていいのか甚だ疑問の微妙な関係)の後日談と物語の核となった因縁の始まり…。藍の父と福田の出会いと歪んだ関係の話の3本が収録されております。
いわば、本編の補完的な1冊であります

『蜜は夜よりかぎりなく』
志澤×藍
時系としては『恋は上手にあどけなく』と『平行線上のモラトリアム』の間になるようです。

藍は悟りをひらいたよ…。

本編でラブラブな二人でしたが、志澤としては、15歳の年の差、そして山奥に祖父と二人だけの生活をしていたため世間知らずと云うか奥手な(もはや、奥手だったと過去系で語っていい気はするが…)藍を自分の世界に引き込んだという負い目があるようです…。
大人の男っていうのは厄介ですな〜。
しかしですね、もはや藍の志澤に対する想いは慈愛と云っていいくらいのレベルとなっております。
恋愛を超えているよ…。
これは母親から受け継いだものなんですかね〜。
山奥に祖父と2人だけの生活のため、世間しらずで大人の庇護が必要だった子供が人を愛することを知り、強くなったということなんですかね〜。
少々強くなり過ぎような気も〜。
ほとんど菩薩か聖母マリアか?と云いたくなるほど、慈しみ深い愛の境地に達しております。
まあ、藍曰く、嫉妬などの感情もあるそうですが、過去は過去と受け止めて、そんな過去を含めて志澤に愛しているようです。
20歳くらいの青年にしては出来過ぎです…。
しかし、なんやかんや云っても崎谷作品の受ちゃんです。
閨では豹変(笑)
昼間は聖母で、夜は娼婦…。
男のロマンだ…。

『双曲線上のリアリズム』
弥刀×佐倉
『垂直線上のストイシズム』の後日。

さっさとリバれよ!(笑)


いきなりの暴言でスミマセン…。いや、だってね…。
崎谷作品に関しては数々の暴言を吐いてきたワタクシですが、おそらくこのカプほど暴言を吐いた奴らはいないのではないのでしょうか〜?
このカプ(っていうか、それ以前)って、どうしても2人の気持ちが合っていないと云うか、温度差があり過ぎると云うか〜。すれ違っているというか、違う方向を向いているような気がしてならない。
ある意味、愛とか恋とかでなく、お互いの心の空白を埋めあっているというか、傷の舐めあいというか〜。まあ、お互いを必要と思っているならこれも一種の愛なのか?
とにかく、佐倉の情緒がもうちょっと発達しないとどうしようもないような気がするけどな…。とりあえず、弥刀に対して欲情はするようです(笑)
だから、さっさとリバれよ(笑)
だけど、佐倉の視点だったためか、弥刀がグダグダしてなかった!!(笑)
いや、佐倉の視点ででもグダグダだったら最悪だけどさ〜。ましてや、慣れない研修で疲れているや自分のことだけで精一杯の佐倉にそんなに思われたらね〜。大人の男として形なし…。でも、実はつれない佐倉に対して大人の台詞を云っていたが、実際心の中ではグダグダだったような気がするけどね(笑)
でも、ハッキリ云って、この2人に対しては、どうも萌えがありません…。

『逆理-Paradox-』
福田×藍の父・衛
『キスは大事にさりげなく』の40年ほど前…。

高永さんの描く若かりし福田はカッコ良かった…。

物語の発端と云っていい福田と衛の出会いと、歪んだ関係の話です。
どこがどう狂ってこういう歪んだ関係の2人になったのでしょうか…。
もともと福田の指向がサディスティックだということもあったのでしょう。
そして、福田が愛とか恋とかをくだらないと思っていたからなんでしょうが…。
しかし、そういう福田に対して向き合う強さを持っていなかった衛にも原因があるようなきがします。
福田のくだらない自尊心を守るために、恋人でなく支配者として君臨させ続けた衛の愛が悲しい関係を続けさせたような気がします。
愛情でもあるけれど、結局、福田との関係を壊したくないと云う衛の弱さでもあるわけですよね…。
端から見たら、こんな歪んだ関係なんて壊れるなら壊れてしまえと思うのですが、どんな形でも福田と繋がっていたいという衛の想い…。
偏屈な父親との狭い世界に生きていた衛にとっては、新しい世界を教えてくれた福田は全てだったわけなんでしょうが…。
しかし、そんなこと云っても衛だって、まだまだ20歳の青年…。
そんな関係が続けていけば、壊れていくに決まっている。
藍の母親となる愛の手を取ってしまうのは当然だったのかもしれませんね。
しかし、残された福田の気持ちを考えると…。
本編では気持ち悪いジジイに過ぎなかった福田もこうやって過去を知れば少し見方が違ってくるかも…。
でも、やはり最初から少々狂っていたような気はしますがね…。
だけどさあ、正直云うと、あんまり崎谷さんの作品でこういう話は読みたくないなあ〜。
今までも、気持ちはすれ違っているのに、身体の関係だけは…とかいう話はあったのですが、他の作品は主に受けの勘違いと云うか己の性癖がコンプレックスのため自虐的で自己完結をしてしまい、攻めの気持ちに気付かない…とかいうものが多かったわけですよね。だから、最終的には誤解も解けてハッピーエンドとなるわけなんですが、今回は悲しいまま、すれ違ったまま終わっているわけですよ…。
受けの自虐的な性格が〜とか、あんあん云い過ぎだとか文句を云いながらも崎谷作品を読み続けている理由って云うのは、最終的にはハッピーエンドでラブラブが待っているからなんですよね。閉鎖的な関係で終わっても主人公2人が幸せならいいのよ…。
しかし、今回はなかったからね…。
あくまでも物語の発端ゆえかもしれないけど、ラブは重要です。ラブはね!
2008.04.05 Saturday 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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2017.08.16 Wednesday 13:00 | - | - |